にゃんこの法則

主に映画、ゲーム、雑談をテーマに書いてます

樹脂系製作について良くある素人の勘違い。これさえ知っとけば解決!

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どうもにゃんこ二等兵です。

利便性からよく使用される樹脂。

この世界、もはや樹脂なしでは不便です(笑)

もはや身近にあり過ぎて樹脂について考える一般の方なんていないと思います(笑)

私の仕事でも樹脂について認識が甘いお客さんがよくきます。

なので今回は樹脂系製作に良くある素人の勘違いをお話します<(_ _)>

樹脂によって用途は様々

樹脂といっても色んな種類があります。

特に良く使われる樹脂は、塩ビ、アクリル、ABS、ポリエチレン等。

勿論、これ以外にも沢山あります。

上記で挙げた樹脂たちの用途はこちら↓

  • 塩ビ・・・衣類、包装材料、配管パイプ
  • アクリル・・・アクリルケース、窓材、看板、道路標識
  • ABS・・・家電、電子部品の外装、自動車部品の内装、リコーダー
  • ポリエチレン・・・容器、包装フィルム

と用途によって使い方が様々(*^^)v

自分の身の回りをよく見渡して、どれだけの樹脂で覆いつくされているか確認してみて下さい(笑)

結構あるでしょ?(笑)

当たり前のようにある樹脂製品。

ここからは樹脂だからこそ製作が難しい部分があることを説明していきたいと思います。

製作過程

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 出展:https://item.rakuten.co.jp/auc-plasart/aa-c/

今回は例としてこちらのアクリルケースで説明したいと思います。

このアクリルケースの大きさは外寸:幅300mm×奥行180mm×高さ183mm×3mm厚 

図の通りフィギュアなどを飾ったりするのに使われたりします。

こちらのアクリルケースがオーダーの一点もの、寸法精度に拘りがある、価格が高くなっても良いという前提なら、私の場合こうやって製作します。(※外寸重視の場合)

作業手順
  1. 昇降盤などで301mm×181mmの寸法で3枚カットする。
  2. 上記2枚を0.5mm弱で全辺カンナ掛けする。
  3. 切断面をヤスリで整える。
  4. 天板に前板、後板を接着する。
  5. 前板と後板の両間寸法を測り、その寸法+1mm×181mmの板を2枚カットする。
  6. 上記2枚(右板、左板)を0.5mm弱で全辺カンナ掛けする。
  7. 切断面をヤスリで整える。
  8. 天+前+後板に右板、左板を接着する。
  9. 磨き工程
  10. 完成

とこんな感じ。

しかしこれが、単発だけど価格を抑えめで提供する、または安くしてと要望があった時の場合の手順は

  1. 昇降盤などで301×182mm(天板)を1枚、301mm×181mm(前、後板)を2枚、181mm×175mm(右、左板)を2枚カットする。
  2. 上記5枚全辺を0.5mmでカンナ掛けする。
  3. 全ての板を接着(組み立てていく)する。
  4. 天板がハミ出た場合は面取りで余分な部分をカットする。
  5. カンナ掛けが見える部分を磨いて完成。

とこんな感じ。

作業工程数や効率の良さが全然違うのがわかります。

前者では、板をカットするのに昇降盤作業(1工程目)、途中で昇降盤作業(5工程目)と2度昇降盤を使用します。また後者にはないヤスリ掛け作業もあります。

作業効率はとても悪いので製作時間はかかりますが、寸法精度や見た目の美しさは抜群。

後者は、昇降盤作業は1度で済ませます。前者であったヤスリ作業もないので作業も楽です(笑)

作業時間は前者に比べて格段に早くなります。効率も良いやり方です。

しかし寸法精度や見た目は前者に劣ります。

なぜ上記のような作業手順になったのか。その理由は?

実は樹脂は金属に比べて寸法精度が出しにくい素材。

金属と感覚がごっちゃになっている素人の方を沢山見受けるんですが、サイズによっちゃ1mm、2mm余裕で狂います。

上記アクリルケースのサイズでも1mm狂うことなんてざら。

樹脂は金属よりも熱に弱くやわらかいため、熱による変化が金属に比べて格段に大きい訳です。

なので3mmのアクリル板の板厚が3.3mmだったり、2.7mmだったり普通にあります。

また板厚が10mmクラスになってくると1枚板の両端を計測して、1mm近く狂っていることもあったりします。

寸法精度が出しにくいのは樹脂のデメリットなので、メーカーで製造されているアクリル板も例外ではないです。

なので加工業者から仕上がってくるアクリル製品もホームセンターなどで売られているアクリル板もそうゆうことになります。

金属の世界では1mmなんて誤差だしたら始末書レベル、もしくはクビですが、樹脂では普通にあることなんです。

なので樹脂加工ではサイズによっては公差も±1mm、±2mm、±3mmなんていうレベルで設けていたりします。

上記のアクリルケースで説明するなら、天板に前後左右と板を接着して製作するものなので、おのずと寸法精度に板厚が関わってきます。

なのでアクリルケースに使用されている板厚が3.3mmだったら、外寸重視で製作した場合、実内寸は計算値より0.6mm狭くなります。

そして熱変動が大きいので切削加工で精度を出すのも難しいです。なので加工での公差も設けます。

また気温でも伸縮したりします。ほとんどの加工業者さんは気温の変化で起こった不具合(寸法誤差)までは保証しません。

他の物にビスなどで取り付けたりする場合はそういった点も踏まえてクリアランスをとったり。

なのでいくつもの機能をもたせた樹脂製品の製作は、加工業者によっては断られたり、出来なかったりします。

最後に

下記の点を理解してくれるお客さんは加工業者立場からすると本当に助かる。

寸法精度を求める場合はしっかり値段を払う覚悟をする。

機能を持たせすぎると、おのずと寸法精度も重要になってくる為、技術加工料が材料代の何倍にもなってしまうこともあるということ。(量産でないなら尚更)樹脂だから価格が安いを思ってもらっちゃ困る。

一般加工では板の面出し、板厚調整なんてしないのでメーカーが提示する板厚許容公差内なら、どんなにずれていようが使用する。

金属のように100分の1レベルまで精度を出せる業者もいるが、全ての面において一般的ではない(笑)

とこんな感じです。

今回はアクリルケースを例にしてその他の点に関する様々な加工業者の内情、また素人の勘違いをお話いたしました。

周りにある樹脂製品はそういった様々な難関を乗り越え、作られていたりします。

なのでいろはすを飲む機会があったら、いろはすのペットボトルの設計技術や製造技術のことを考えながら飲んであげて下さい(笑)

【開発ヒストリー】潰せるボトルで差別化 後発だからこそできる知恵の絞りどころ 日本コカ・コーラ「い・ろ・は・す」(1/4ページ) - 産経ニュース

環境にやさしいボトル | い・ろ・は・す (I LOHAS) 公式サイト

という訳で今回はこの辺で失礼いたします<(_ _)>

それでは!